終活で知っておくべき介護

介護保険について日本は、今まで世界が経験した事が無い程の、急速なスピードで、超高齢化が進んでおり、近年社会問題化しており、今後は更にそのスピードを上げ、年々加速度的に膨れ上がり続けている、医療費をはじめとする社会保障費も、右肩上がりに、更に増大を続け、社会保障制度の維持や存続まで、危ぶまれる状況が、迫りつつあります。

超高齢化に伴い、老化・加齢により、様々な病気、障害、ケガを抱え、寝たきりや認知症の高齢者の増加、介護の長期化等、介護が必要とされるケースが、年々増加し、介護の重要性も増してきており、家族だけで対応することが、困難となるケースも、年々増えてきております。この様な社会背景から、国民、国、地方自治体が、費用を負担し介護サービスを提供する制度を確立すべく、2000年(平成12年)に「介護保険法」が施行されました。

介護保険法第一条には、「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保険医療サービス及び福祉サービスに関わる給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要事項を定め、もって国民の保険医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」と規定されており、介護サービスの提供により、「高齢者は自分の意志のままに自分らしく生きること」を支援するという、自立支援が基本と考えられるようになりました。

介護保険の現状としては、(介護保険事業報告の概要「平成25年11月暫定版」等より) 介護保険の加入者は、平成25年11月末時点で、3,161万人。要支援認定者・要介護認定者数は、平成25年11月末日時点で、580万人。要支援認定者、要介護認定者数、介護給付費共に、年々増加、上昇傾向にあり、それに伴い、今後は更なる保険料の負担増が、予測されております。

保険料は、住所地の市区町村により異なり、地域間格差も大きな問題となっております。第1号被保険者は、65歳以上の方、第2号被保険者は、40歳から64歳の方、介護保険の被保険者は、40歳以上の方全員で、加入の手続きは不要です。 サービスが利用可能なのは、介護が必要とされた方で、その内64歳以下の方は、下記の特定疾病が原因で認定された方のみです。

特定疾病(16種類)は、がん末期(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)、筋委縮性側索硬化症、後縦靭帯骨化症、骨折を伴う骨粗しょう症、多系統萎縮症、初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症)、脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症(ウェルーナ症候群)、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病、閉塞性動脈硬化症、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)、両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症があります。

要介護状態とは、認定される目安が定められており、「要支援」「要介護」それぞれ下記の様に、認定レベルがあります。
要支援1は、辛うじて一人でも生きていける。訓練などで一部お世話をする程度のレベル。
要支援2は、一人でも生きていけるができれば手助けが必要。お手伝いが一部必要だが、状態の改善、維持が期待できるレベル。要介護1は、お手伝い程度の介護が一部必要。例えば入浴時に手をあまり挙げることができず上着を脱ぐ時のみ手伝うというくらいのレベル。要介護2は、お手伝い程度の介護が必要。歩行、起立、食事、排泄、入浴などの大半で一部手助けが必要というレベル。

要介護3は、一部でほぼ完全な介護が必要。介護無しでは一部の行動が不可能となるレベル。
要介護4は、ほぼ生活全般に介護が必要。大半の生活において介護が必要なレベル。意思の疎通が困難になってくる場合がある。要介護5は、生活全般において介護が必要。介護無しでは生きていけなくなるレベル。介護する人は常に様子を伺う必要がある。

「自立(非該当)」となる基準「歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、かつ、薬の服用、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態」を実際の介護認定は、「介護の手間」を表す「ものさし」としての時間である「要介護認定等基準時間」をあてはめ、さらに痴呆性高齢者の指標を加味して実施するもので、「要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成11年4月30日厚生省令第58号)」として定められています。

要介護認定等基準時間の分類は、①直接生活介助は、入浴、排せつ、食事等の介護②間接生活介助は、洗濯、掃除等の家事援助等③問題行動関連行為は、徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等④機能訓練関連行為は、歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練⑤医療関連行為は、輸液の管理、じょくそう(床ずれ)の処置等の診療補助があります。

介護が必要となった原因には、(要介護度別、上位2位)要支援者は、「関節疾患」19.4%、「高齢による衰弱」15.2%、要介護者は、「脳血管疾患(脳卒中)」24.1%、「認知症」20.5%があります。

要介護認定の手順、手続き1要介護認定の申請は、介護サービスを利用する方は、お住まい(住民票のある)の市区町村の介護窓口、福祉事務所等に保険者本人か家族が申請します。(指定代行機関に所属の、ケアマネージャーによる代行申請も可能です)
手続き2訪問調査(一時判定)は、役所より認定調査員が、御自宅等を訪問し、心身の状況の調査を行います。訪問調査の結果は、全国一律のコンピューターソフトで処理されます。(訪問日程は、事前に日程を確認されます)
手続き3主治医意見書は、保険者(市区町村)が本人の主治医に、心身の状態についての意見書を作成してもらいます。(主治医がいない場合は、役所の指定医の、診断を受けることができます)
手続き4介護認定審査会(二次判定)は、訪問調査の結果や、主治医意見書をもとに、介護の必要性や程度について、審査を行います。
手続き5要介護、支援の認定は、介護認定審査会の結果に基づいて、「自立(非該当)」「要支援1~2」「要介護1~5」までの区分に分けて認定し、その結果各被保険者のもとに通知されます。【結果に不服がある場合には、都道府県の介護審査会に、申し立てることができます】
手続き6介護サービス計画作成(ケアプラン作成)は、認定結果をもとに、心身の状態に応じて、介護支援専門員(ケアマネージャー)と話し合い、各種サービスを組み合わせた、介護サービス計画を作成します。
手続き7介護サービス開始は、介護サービス計画に基づいて、サービス事業者と利用手続きを行い、介護サービスを利用します。

更新申請手続きは、要介護・支援認定者は、有効期間満了前に、更新手続きが必要です。認定の有効期間満了の60日前からです。 (認定の有効期間は、3ヶ月~12ヶ月の範囲内で定められ、被保険者証に記載されています)

介護サービスの種類には、1.居宅介護支援サービス(ケアマネジメント)2.居宅サービス3.施設サービス4.介護予防サービス5.地域密着型サービス6.地域密着型介護予防サービスがあります。

介護に関する職業
1.ケアワーカー(介護福祉士)
身体的、精神的な障害により、日常生活行動に支障が有る方に対して、介護支援を行う為に、必要とするスキルを認定する、国家資格であり、名称独占資格に認定されております。高齢者、障害のある方の施設で、介護をするスペシャリストで、食事、入浴、排せつ、衣服の着脱等、日常的な介助業務や、掃除、備品の管理、シーツの交換等も行い、高齢者社会において、欠かすことのできない職業です。

2.ホームヘルパー(訪問介護員)
自宅や専門施設において、生活、家事援助を行う方のことをいいます。高齢者や障害を持つ方の、生活介助を行う事が、主な目的とされています。ホームヘルパーになる為には、各都道府県知事の指定する、「訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修」を受講し、終了しなければ、お仕事に従事することはできません。研修は、1級~3級まで分かれており、終了した口座内容によって、出来る仕事内容も異なります。

3.ケアマネージャー(介護支援専門員)
要支援又は要介護と認定された人が、適切な介護サービスを受けられるようにする為に、介護サービス計画(ケアプラン)を作成する、専門職のことです。介護保険制度の仕組みは複雑な為、介護が必要になったら、介護施設へ行くと、すぐにサービスを受けられるわけではありません。
この辺りが、病院とは違うところです。介護施設で、介護を受ける為には、ケアマネージャーに、介護サービス計画(ケアプラン)を作成してもらう必要があるのです。介護を要する方の状況や、家族がどんなことに困っているのかを理解し、計画を立て、必要なサービスを受けられるに、サービス事業者へ手配するのが、ケアマネージャーの仕事です。ケアマネージャーとして登録、任用されるには、都道府県の実施する、「介護支援専門員実務研修」を受講する必要があり、研修を受講する為に、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければなりません。

4.社会福祉士
身体、精神的障害を持ち、福祉を必要とする方に対し、助言や相談対応指導等を行う、専門家のことを言います。社会福祉士になる為には、社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、厚生労働省認定機関である、財団法人社会福祉振興・試験センターが行う「社会福祉士国家試験」に合格し、社会福祉士としての資格を、取得しなければなりません。

5.理学療法士
厚生労働大臣の免許(国家資格)を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、「理学療法」を行う仕事です。「理学療法」とは、身体に障害の有る方に対し、主として、その基本動的動作能力の回復を図る為、治癒体操その他の運動を行わすこと、及び電気刺激、マッサージ、温熱、その他の物理的手段を加えることをいいます。

6.作業療法士
厚生労働大臣の免許(国家資格)を受けて、リハビリテーションの現場において、「作業療法」を行う仕事です。人間として生きていく上での(作業)活動を理解、分析し、利用できるよう、力を身につけることが不可欠とされていて、入浴や摂食等の日常動作から、職場復帰に至るまで、作業療法は広く関わっています。

7.言語療法士
言語聴覚士法に基づき、言語聴覚療法(音声機能、言語機能、摂食・嚥下機能、又は聴覚に障害の有る方に対し、その機能の維持向上を図ることと、言語訓練、その他の訓練、及びこれに必要な検査及び助演、指導、その他の援助を行います。言語聴覚士国家試験に合格した(国家試験)、名称独占資格認定されています。

終活を考える上で介護保険と介護サービスについてこのくらいの知識を持っていたほうが何かと役に立つと思います。


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